いにしえのバイクたち【DSK 250AB デンスケ】

2019年4月6日

いにしえのバイク(オートバイ)なので画像や動画が限られています。
もちろん細かいデータも非常に希少となっており不明な点が多いのですが、今回手元にある資料を元に記事を進めていきましょう。

 

 


まずはスペックからご覧ください。

DKS 250ABのスペックデータ

車名:DSK
乗車定員(人):2
エンジン型式:AB
エンジン種類:空冷4サイクル単気筒OHV
総排気量(cc):247
内径×行程(mm):68×68
圧縮比:7.0
燃料供給装置:ミクニアマル M22H
最高出力:14PS/6,200rpm
最大トルク:1.7kg・m/4,800
全長(mm):2110
全幅(mm):710
全高(mm):1020
ホイールベース(mm):1390
最低地上高(mm):150
車両重量(kg):155
最小回転半径(m):1.95
燃料タンク容量(L):13
始動方法:キック
変速機:左足動前進4段
クラッチ:左手
ブレーキ(前):ドラム
ブレーキ(後):ドラム
タイヤサイズ(前):3.00-18
タイヤサイズ(後):3.25-18
販売価格:250,000円

デンスケと呼ばれたBMWみたいなバイク

DSK 250ABをご覧になって、あれ? と感じた方もおられると思います。そうです。BMW R25にそっくりです。

画像に大幅な差がありますが、まぁそこは気にしない×2DSKのマークもBMWそっくりですし、もう完全パクリです。ただのコピーバイクでは終わらないのがDSKのすごいところなのでこのまま読み進めてくださいね。このバイクの製造元は「DSK自動車工業株式会社」が1959年2月に販売を開始したモデル。

DSKとは当時、織機メーカーだった大東紡織(現 ダイトウボウ株式会社)の子会社として独立した大東精機がオートバイ業界に参入しました。なぜこのDSKはBMW R25をコピーしたのかというと、この当時、最高峰とされていたモデルであったからです。

この時代としてはおかしな話ではなく、まだ技術の乏しい日本では、海外のバイクを輸入し、データ収集するのは当たり前でした。DSK もその例外ではなく、その技術を分析しまるまるコピーした、という経緯です。

このDSK 250ABは「デンスケ」の愛称で親しまれ、BMW社からはこんなハイクオリティなものを輸入されては困る! と抗議されたほどの完成度で、もしかすると本家を越えていかたかもしれません。ちなみに最高速度は120km/hをマークしたというのだから大成功したといえるでしょう。

実はDSK社は1957年に工場火災にあってしまい、経営が苦しい中に販売したDSK 250AB。540台を生産した後、オートバイチームは解散し、伝説のメーカーとなりました。

DSK 250ABはやっぱりすごい!

その凄さは70年を過ぎた現在を見ればわかります。当時制作されたDSK 250AB。ノンレストアでオーバーホールもせずにそのままエンジンがかかってしまいますし、普通に走れます。

【こちら、いい感じのヴィンテージ感のあるやつれ方ですね!年式の割にかなり綺麗、またこのようなサビが似合うのもDSK 250だからこそでしょう。】1959年に販売されたバイクが、現役で走れるハイレベルな設計であった、ということが、当時の技術者の魂を感じますね!

DSK 250ABについて当時を知る方のお話

たまたまこのバイクを知る方にお話が聞けたのでその方の印象をご紹介します。

「デンスケはとにかくか高かった」当時25万円なので今の価格とすればいくらなのでしょうか?
「シャフトドライブを強調する新聞広告が出ていた? 気がする」
「BMWよりも壊れにくくて速かった。エンジンが静かでガソリンの減りも少なかった記憶がある」

とのことです。

なるほど。それでBMWが輸入に抗議した、という文献と一致します。
なんだか欲しくなってきました 笑 せめて乗りたい! 一瞬でいいから・・・

DSK 250ABのアイドリングを愉しむ

ぽんぽんぽん とんとんとん とアイドリングの音がなんともたまりませんね~。
現行の単気筒250ccとは音質が違い、いかにもメカメカしさのあるいにしえのサウンドです。

DSK 250ABの販売状況

はい。ここで気になるのが販売価格ですね。
ちょっと調べてみましたが、残念ながらバイクショップでの販売はしていないようです。

ちなみにジャンク扱いであればヤフオクでは30~40万円ほどで落札されています。

この値段から予想すると、きれいな完動車なら100万円くらいでしょうか。
本家BMW R25とあまり値段が変わりませんね!

生産台数は少ないながらも、本家BMWに目を付けられるほどの実力のある魅力的な一台でした!

■追記アリ!

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